届いていたので読んだ。
- 作者: 彌永昌吉,赤攝也
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/09/01
- メディア: 文庫
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私のような、ものごとを深く考えずに受け入れてしまう癖のある人間は、しばしば「公理」というものが疑いようのない事実であるとみなしてしまう。
素朴集合論においてラッセルのパラドックスが導かれることが分かってから、数学者たちはいろいろなアプローチで、正しい数学について議論するようになった。論理主義、直観主義、形式主義がそれである。本の最終章で、形式的証明とはどのように行われるのか、体系が無矛盾であることをどのように示すのか、が述べられている。
数学が完全な真理の学問であると信じて疑わなかった人々に、種々のパラドックスや不完全性定理がどれだけ衝撃を与えたのか、とかを考えたけど、ちゃんとした知識がないのでここで考えるのをやめてしまった。大変そうだということは分かる。
めちゃくちゃ難しい数式は出てこないし、内容もそれほど複雑ではないので、数学基礎論の導入編としてよさそう。文庫本なのでどうしても省略されているところが多く、物足りないところを調べていくというスタンスで読み進めていくのがちょうどよい感じ。